さまざまな介護の資格

日本は高齢化社会に突入し、介護の需要は増しているものの、常に現場は人手不足で、求人数が多い仕事です。これからも需要が見込まれる介護の分野の資格取得で得られる知識や、資格によってつける介護職を紹介します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修の目的

介護職員初任者研修は、介護の資格のなかでは初心者向けの資格です。厚生労働省は、介護職員初任者研修の目的を以下のように定めています。

“今後訪問介護事業に従事しようとする者、若しくは在宅・施設を問わず最低限の知識・技術とそれらを適用する際の考え方のプロセスとして身につけ、職場の上司の指示を受けながら基本的な介護業務を実践できること”
引用:厚生労働省

研修と試験

介護職員初任者研修は、未経験でも受けられる研修です。1か月の短期コースから夜間コース、通信コースなど、ライフスタイルに合わせて進められます。自宅学習と授業の両方を行う研修講座が多いようです。研修の最後には、筆記試験が実施され、合格すると介護職員初任者研修の資格が得られます。

就ける仕事

介護職員初任者研修は入門的な資格でありながら、介護職は常に人手不足のため、介護施設への就職の際に有利に働くといえます。実務経験を積みながら介護福祉士やケアマネジャーへのステップアップを図ることができます。さらに、介護職に就かなくても、自宅で家族の介護などをしなければならないときに役に立つ知識を身につけられます。

介護職員実務者研修

介護職員初任者研修の上級資格

介護職員実務者研修は、介護職員初任者研修の上級資格です。

研修と試験

介護職員実務者研修は、初任者研修と同様に誰でも受験できる資格です。資格を取得するためには、決められたカリキュラムを修了する必要があり、通信、通学で研修が受けられます。試験は、スクールによって実施する場合と実施しない場合があります。

仕事内容

実務者研修を修了すると、たんの吸引などの一部の専門的な医療行為もできるようになります。また、上位資格である介護福祉士の受験資格が得られます。

介護福祉士

安定の国家資格

介護福祉士は、介護に関する国家資格です。介護福祉士は、高齢者に直接かかわり、生活上のさまざまな行動、たとえば食事、排せつ、入浴などの援助を行います。別名ケアワーカーとも呼ばれます。

試験内容

介護福祉士の資格を得るには、年に1度実施される介護福祉士国家試験に合格する必要があります。試験は筆記試験と実技試験があります。介護施設での実務経験がある場合や福祉系高校を卒業している場合などは受験資格が異なりますが、未経験者が資格取得を目指すには、介護等の業務に3年以上従事することが必須になります。詳細な受験資格は社会福祉振興・試験センターのHPで確認できます。

社会福祉振興・試験センターHP
http://www.sssc.or.jp/index.html

仕事内容

介護福祉士の資格を取得すると、高齢者の身の回りのお世話だけでなく、施設内で管理者になり、ほかのスタッフを管理する立場になることも可能です。また、資格を取得すると、多くの場合資格手当がつき、収入が上がります。